般若湯
2024-10-09
カテゴリ:その他,雑学
注目これはウマい
『はんにゃとう』と読みます
先日、身内の七回忌法要があり、ご住職のお導きのもと無事に済ませました。
そのあとご住職ともども、予約してあった食事処にまいりました。普段はなかなかかしこまった外食の機会はないのですが、法要をいいことにとても美味しくいただいてまいりました。
その折、お昼間でしたが少々アルコールをいただこう、ということに。まずはビール、次に熱燗がお好きということで注文しました。するとご住職から「般若湯(はんにゃとう)って言葉知っとる?」とご質問。ボヤッとはわかっているつもりなんだけど、よくはわからないので、詳しく説明していただきました。
般若湯というのは、僧侶が用いた「酒の隠語」なのだそうです。
「般若」という言葉は梵語(ぼんご/古代インド言語のサンスクリット語のこと)で、智慧(ちえ)とか真理という意味なのだそうです。
僧侶という立場では公然とお酒を飲むわけにいかないため、意味ありげな隠語を使って傍目をごまかしていたのだそうです。
お寺の戒律はとても厳しく飲酒は御法度なのですが、鎌倉から室町時代にはお寺で『僧坊酒(そうぼうざけ)』というお酒を作っていたのだそうです。この頃からお寺の中での飲酒禁制は有名無実化していったそうな。
『坊さんといえども所詮は人。お酒も飲みたいし、畜生も食べたいのは俗人と一緒なのですよ。』
最後にいただいたご住職のこのお言葉に、全てが凝縮されています。
調べてみると、この『僧坊酒』は現在の酒造りの基本技術確立にとても役に立っているとのこと。やはり徳を積んだ方々は後々のことまで考えていらっしゃる、ということにしておきます。
とてもためになった法事でした。